とちぎのものーふくべ細工ー


ふくべ細工
1.ふくべとは

ふくべとは、夕顔の実をいい、この果肉をむいてほしたのがかんぴょうです。
かんぴょうは、栃木県(とちぎけん)の特産品です。栽培されるふくべの大半は未成熟の段階でかんぴょうにされ、種取り用のふくべだけが大きく成熟するまで育てられます。
種は、成熟したふくべの一部をくりぬいて取ります。種を取り去ったふくべは、中が空洞となり、乾燥させると皮が固く引きしまり細工物の材料となります。
ふくべ細工は廃物利用でもあり、稲作に恵まれない台地に生きる農民が生み出した生活の知恵でもありました。
2.ふくべ細工の歴史
ふくべ細工は、すでに戦国時代(せんごくじだい)、盛んになった茶道用の炭入れとして使われていたといわれています。
本県では、10世紀の頃、藤原秀郷(ふじわらひでさと)の鬼退治にちなんで、宇都宮(うつのみや)地方では魔除け面(まよけめん)が作られるようになっていました。
かんぴょうを材料とした瓢面(ひさごめん)が作られるようになったのは、江戸時代(えどじだい)に夕顔が栽培されるようになってからです。
明治(めいじ)から昭和(しょうわ)の初めにかけては、炭入れ、小物入れ、魔除け面など実用的に使われていました。
3.ふくべ細工のいろいろ
ふくべの形を活かした炭入れ、花器、小物入れ、表面に手書きで色あざやかに絵付けをする人形、魔除け(まよけ)の面などが土産品として有名です。
魔除け面はふくべを縦半分にして、下野伝説の百目鬼(どうめき)をもとにした怪奇な面です。
天然の素材で作るので、どれ一つとして同じ形がないのがおもしろい特徴です。









